引用元:今までにあった修羅場を語れ【その25】

393: 名無しさん@おーぷん 2018/04/21(土)21:45:51 ID:cLw
父の浮気によって家族がバラバラになると思い込んだ夜。

私と家族は普段から一つの和室の中、皆横並びになって寝ていた。

夜中ふと目をさますと、私の隣の布団上で父母が正座をし、向かい合っている。

どうやら父が浮気をしたらしい。母は声を殺して泣いている。

寝返りを打ったふりをして、父母に背中を向けた。
母が泣いているのを見たのは初めてだった。
父がそんなことをするなんてと単純に驚きもした。
純粋な夫婦愛がもう存在していないのかもと考え、少し涙が出た。


でもその悲しみ以上にこの話し合いがどこに向かうのかが気になっていたので、
ずっと聞き耳を立てていた。


母は「女の人とあんなメールをしているなんて」と言いながら泣き、
父は「なぜ携帯電話を見たんだ、携帯電話をみるお前が悪い」と言う。
母が鼻をすする音が部屋に響く。父は黙っている。
少し間が空いて、母が「女の人とあんなメールを…」と泣きながら言う。
これの繰り返し。


小学生になったばかりだった私が
「私が寝ている間もこれが繰り返されていたんだろうか。
中々話が進まないもんだな。私の親はあまり頭が良くないのかもしれないな」
などと考えているうちに、隣で眠っていた妹も目を覚ました。
彼女はニコニコ笑いながら私の顔を見つめている。


当たり前だけれど、父母は私たちが目を覚ましていることに気づいていない。


この状況、幼稚園児は理解できてしまうのだろうか。
いやわかってなさそうだぞ。
多分私が邪魔になっていて母が泣いていることにも気づいていない。良かった。
でも今この子が何か言葉を発したら、私が起きていたこともバレるかもしれない。
子供が気づいたことに気づかれたら話が難しくなり、
家庭が崩壊するかもしれない。どうしよう。
これ以上妹に話を聞かせるのもよくない。とにかく妹を眠らせなきゃ。


父や母に気づかれてはならないと必死に笑顔を作って
妹を眠らせようとしたその時の私の心境、まさに修羅場だった。


体感時間では30分ほど、末の弟が起きてトイレに立ったことをきっかけに彼らは
リビングに移動した。最初っからリビングでやれよと強く思った。


妹は父母がリビングに移動してからすぐ、再び眠りについた。
私もそれを見届けた後、そのまま眠ってしまった。


まだ夜が明けぬうちに目を覚まし、父母が並んで眠っていたのを見て
安心したのを覚えている。


翌日も言い合いをしていたことを思わせるような行動はなかった。
母の旧姓と自分の名前とを組み合わせ、様々な妄想をする時間は、
数年をかけて段々と少なくなっていった。


あれから20年近く経つけれど、両親は離婚をしていない。


どの程度の浮気だったのか、父母がどう決着をつけたのか、
あの時妹を守れていたのか、未だにわからない。


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